作品名:モーガン プロトタイプ L-9
評価:★★☆☆☆
最近増産中の人工生命体をネタにした映画
扱うテーマは興味深いのだが、プロットが昔の『B級怪物映画』の域を出ない
俺がまだ幼かった頃に大好きだった映画がある
『スペース・サタン』という題名だったと思う
カーク・ダグラス演じる主人公が宇宙基地にやってきてロボットを作る
ヘクターという名前のそのロボットは、最初こそ従順に与えられた仕事をこなしているが、やがて徐々に獲得した人間性が原因で凶暴化。もちろん人を襲い始めるのだが、最終的にはヘクターをバラバラにして人間の勝ちとなるストーリーだった
キラキラと光る機械の体、ギョロギョロと動く目。幼い俺は当然ヘクターに夢中になった
「ヘクター観たい!」とねだる俺に、父は「やれやれ」といった面持ちで、七色に輝くレーザーディスクをプレイヤーに入れてくれたものだった
ところでこのモーガンという作品。プロットがスペース・サタンとほぼ同じなのだ
ロボ作る→いい感じに動く→凶暴化→ドカン
スペース・サタンが作られた時代ならまだしも、AIが実現寸前段階の今となっては何1つ新しいものを感じられなかったし、考えさせられる部分も一切無かった
ただし、脚本には独創性のかけらも感じられないものの、映像の美しさや出演俳優の演技は悪くない。低予算でも可能な限り頑張ろうという意志は感じられた
人工生命体を扱った映画はスペース・サタン以前から存在したし、今も作られ続けている
俺のお気に入りは、ロビン・ウィリアムズ主演の『アンドリューNDR114』。永遠に生き続ける人工生命体の苦悩がリアルに描かれた傑作だ
有名どころだが『A.I.』も宇宙人抜きにすればなかなか良い。スティーブン・スピルバーグは『インディージョーンズ』にすら宇宙人を出すくらいだ。もう病気の域に達しているのだから許してあげようではないか
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